2025年10月23日

SCHWALBE ラジアルケーシングの可能性

IMG_4808.JPEG

SCHWALBE ラジアルケーシングのMTBタイヤが発表されて約1年半、海外で流通が始まって1年、日本に入荷して半年。
オフロードの走行時間も累計50時間以上は行ったということで、そろそろこのタイヤについて語ろうと思います。

そもそもラジアルタイヤとは何ぞという話ですが、タイヤを構成するケーシングという繊維の層が通常のタイヤ(バイアスタイヤ)であれば進行方向に対して45度で重なり合い交差しているのですがラジアルタイヤはその言葉通り放射上に配置されております。詳しくは「ラジアルタイヤ 構造」とかで検索して下さい。

ここでメーカーより提供された資料を見てみましょう。

スクリーンショット 2025-10-22 210816.png

おう? ラジアル謳ってるけど角度ついて交差してますやないですかどういうことですのん?
まぁ、ここでRadialの定義について議論するのは不毛なのでそれはいったん預けつつこの従来よりも浅い角度でケーシングを交差させるのがSCHWALBEのいうところのRADIALであるということで納得ください。

画像を見て従来のものより角度が浅いのは理解したとしてじゃあこれ何度なんですかと尋ねてみたのですがschwalbe本社からの回答はありませんでした。

スクリーンショット 2025-10-21 183508.png

なので測ってみました。75°ですね。74.9°とか刻む合理的な理由も思いつかないのでたぶん75°で間違いないでしょう。SCHWALBEのラジアルケーシングの角度は75°これは別に覚えなくても構いません。

スクリーンショット 2025-10-22 203812.png

能書はこんな感じです。納得して先へ進みましょう。

IMG_5401.JPEG

ここでライダープロフィールとバイクプロフィールを
age:45
hight:178cm
Weight:178lb

bike:Yeti SB150
Frt Tier:schwalbe ALBERT GRAVITY PRO/ULTRASOFT 29x2.5
Rear Tier:schwalbe ALBERT GRAVITY PRO/ULTRASOFT 29x2.5

スクリーンショット 2025-10-22 224416.png
装着したのはALBERT
ドライ、ハードパック向けタイヤでは定番の2:3パターンでハイグリップが期待できます。MAXXISのASSEGAIやCONTINENTALのXYNOTALなんかも2:3ですね。
WHISTLERのビッグスラブにチャレンジすることを想定していたので前後ともGravity PRO/ULTRASOFTの組み合わせにしました。

IMG_4873.JPEG
(写真はイメージです)

箱から取り出してすぐに感じるサイドの柔らかさ。
ペラペラではなくしっかりとした厚みを感じられるものの指でつまむと比較的軽い力で変形します。

IMG_5406.JPEG

そういうわけですのでこれは相当しなやかなタイヤだぞと装着前から期待が高まると同時にいつもの空気圧のセットアップではマッチしないのではないかと思い、普段よりも高めにセッティングすることにしました。
Frt:1.7bar
Rear:1.8Bar
タイヤにもよりますが普段は1.3〜1.6Barくらいの範囲でセットすることが多いので個人的には少々高めです。
余談ですがこの前に履いていたタイヤとセットアップは
Frt:schwalbe MAGICMARRY SUPER Gravity/ULTRASOFT 29x2.4 1.3〜1.5bar
Rear:schwalbe MAGICMARRY SUPER DH/ULTRASOFT 29x2.4 1.4〜1.6bar
こんな感じです。シュワルベ大好き。

ちなみに、Schwalbeのタイヤセットアップで悩んだ方はぜひこちらを参照にしてください。
Ask the schwalbe MTB PRESSURE Prof

ライダープロフィールやバイクプロフィール、ライドスタイルなんかを入力すると推奨空気圧を出してくれます。
ちなみに新型のラジアルタイヤはまだ反映されていません。はよやれ。

さて、前置きは終わり。いよいよライドスタートです。

IMG_5941.JPEG


今までのタイヤとは一線を画すグリップの良さです。このグリップという言葉にはグリップ性能だけでなくトラクション性能、ブレーキング性能を含みます。すべてのMTBタイヤを過去のものにするといって過言ではありません。
例えば上から覗き込んで木の根っこや岩の段差が斜めに走るスティープな下り。転倒したらどうしようと躊躇するような場面でもこのタイヤならハンドルを捕られることなくまっすぐ降りられます。バンピーな路面でもタイヤが弾かれません。当然乗り心地も良い。
最初はタイヤの限界を見極めながら恐る恐る下っているのですがだんだんと「このタイヤ、すごくない?」と感じるようになります。かなり不安定なラインを選んでもタイヤががっちりとサポートしてくれて狙ったラインを通してくれるので少々難易度が高い場面に出くわしても「このタイヤなら、イケる!」とヘッポコに勇気を与えてくれました。

どうしても性能を定量化しにくく抽象的な表現にならざる得ないのですが3つの単語で纏めると
「滑らず、弾かれず、止まる」
ここに集約されます。MTBハイグリップタイヤの目指すところはおおよそここだと思うのですが、この性能が圧倒的に良いんです。同一空気圧で接地面積30%増はフカシじゃありません。誤解を恐れずに言うのであれば今まで発売されたどのタイヤより良いです。それはそうです、今までのタイヤ設計と根本が違うのだから。

漕ぎの重さや転がりの重さへの意見も散見しましたが私は殆ど感じませんでした。
通常よりも高めの空気圧で運用しても従来型のタイヤよりも優れたグリップを発揮し、くわえて同等の転がり軽さがあります。
一方、通常と同等の空気圧で運用すれば転がりの重さはでるものの異次元のグリップと安定感を得られ、中低速ではとても安定感があります。ただし高速域においてタイヤが腰砕けになる感じは否めませんのでこういう運用方法もあるけれども、基本的には高めの空気圧で運用した方がこのタイヤのメリットを享受できるのではないかと思います。
私は常時高めの空気圧で使用していたので転がりの感覚は従来のものとそんなに変わらないのにえらくグリップするなーという印象でした。ここまでタイヤの性能が良くなるとサスペンションのセットアップにも影響を与えるのではないでしょうか。
コンパウンドだけではなくケーシングを含めたタイヤ全体での衝撃に対する減衰機能が優秀であるように思います。そしてコンパウンドに頼らないグリップの良さがあるということは、摩耗したのちもある程度タイヤの性能を担保するでしょう。

従来のDH、グラヴィティ、エンデューロ系のタイヤはどうしても硬くなりがちで空気圧を減らすことでタイヤの変形量を増やしグリップを稼いでいましたが、そうすると今度はリム打ちによるパンク、リムの破損といったトラブルが発生しました。それを避けるためにより厚くより強く、さらにはタイヤインサートを入れて物理的にタイヤとリムを保護するといった方向へ進化してきました。
タイヤを薄くすれば空気圧を上げてもしなやかになるしリム打ちも防げるのでは? それはそう。でもサイドカットなどの物理ダメージに弱くなるのでやはりこれらのジャンルでそれは使えません。

Shwalbe ラジアルケーシングタイヤはタイヤの厚み、強度を担保したまましなやかさを獲得することができました。
これによって空気圧を上げつつ十分なグリップを得られ、加えて高い空気圧がパンクやリムの破損も防ぎます。そう、つまりタイヤインサートを排することが可能なのです。タイヤインサートを無くすことで軽量化とエアボリュームの増加による乗り心地の改善が見込めます。
そもそもの開発のきっかけがCommencal/mucoffチームからの「タイヤインサートを使用せずに戦えるタイヤ」というリクエストらしいのでこれには納得しかありませんね。余談ですが、これはMOTOトライアルのタイヤからヒントを得て開発に至ったそうです。
従来と同じ空気圧で30%の接地面積像とありますが、じつはこれ05.bar(7psi)増でも10%の接地面積増を謳ってます。どちらかといえばこっちが肝なのではないでしょうか。Amaury Pierronはフロント1.95Bar、リア2.1Barくらいで使用しているそうです。

【タイヤパターンとコンパウンド、ケーシングについて】
現在SCHWALBEからリリースされているラジアルケーシングタイヤは
パターン4種
ALBERT
MAGICMARRY
Shredda Frt
Shredda Rear
ケーシング2種
・Trail Pro
・Gravity Pro
コンパウンド2種
・SOFT
・Ultra SOFT

となっています。
今回使用したALBERTは最初からこのラジアルケーシング前提で設計されておりドライ、ハードパックといった乾いて絞まった路面と相性が良く特にWHISTLERのビッグスラブにはベストマッチだったといっていいでしょう。半面泥ハケはそんなに良くはないのでウェットコンディションやマッドコンディションにはマッチしないかもしれません。

日本での流通はこれからのMAGICMARRYは皆さんお馴染みなんであまり説明することも無いかもしれませんがドライ、セミウェット、ウェットと路面を問わず活躍する定番ですね。ALBERTが発売された今ドライで使用する場面は少ないかもしれませんがフロントにMagicMarry、リアにALBERTで組み合わせればわりとどんな場面でも良さそうです。
ただ気になるのが本国ラインナップを見ると
27.5x2.5 Gravity Pro/SOFT
29x2.5 Trail Pro/ULTRASOFT
29x2.5 Gravity Pro/ULTRASOFT
と、かなりラインナップを絞っていること
ドライ〜セミウェットをALBERTに、ウェット〜マッドをShreddaにと分けた中で中間的な立ち位置になったこのタイヤを減らしたのでしょうか。しかしラインナップしているモデルは的確だと思います

Shredda Frontはもう潔く29x2.5 Gravity Pro/ULTRASOFTの1ラインナップのみ。潔いですがそれでいいとおもいます。これを必要とする人はこの組み合わせでしか使いません。Shredda Rearはマレット運用も考えて27.5がありますね。高いノブと広く空いたトレッドパターンからウェット、マッド向けかと思われますが開発側の意図としてeMTBに向けた設計でもあると聞きました。

ALBERTにGravity PRO/SOFTの組み合わせが登場したのが個人的にはとても評価できるところで、十分な強度、耐パンク性能のGravity PROと転がりの軽いSOFTのコンパウンドは後輪に最適ではないかと思います。
フロントにALBERTもしくはMagicMarryのTrail PRO/ULTRASOFT
リアにALBERT GRAVITY PRO/SOFT
この組み合わせにするとフロントは目方が軽くハイグリップ、リアは転がりが軽く加えて過剰なグリップでカッティやルーストの邪魔をせずしかし耐パンク性能は担保する、という遊びに適した組み合わせではないかと思います。
わたしはビビリなので前後輪ともにGRAVITY PRO/ULTRASOFTでした。


IMG_5715.JPEG
これは余談ですが流通について
日本ではまだ殆ど流通していませんね。当店も現時点でやっと1ダース入荷したくらいです。
写真はWHISTLER VILLAGEの中にあるBIKE FANATICにあったストック分。現在の当店と同じくらいの量です。
色んなショップを見て回りましたがSCHWALBEが置いてあったのはここだけでした。あとはもうMAXXIS天国。9割MAXXISです。

IMG_6409.JPEG
フロント

IMG_6408.JPEG
リア

国内で1ヵ月、WHISTLERで半月ほど乗ったあとの状態です。
オフロード走行時間だけで50時間は超えているはずです。アプローチの舗装路や登坂を含めるともっとでしょうか。
リアはさすがにブレーキングでエッジが削れていますがまだまだ余裕で行けそうです。フロントは8分は残っていますね。

IMG_6410.PNG

こんなところばかりをライドしていた割にはしっかりもっています。
今回は私含め4名で行ったのですが私以外は全員がMAXXISでした。


他社は追従するのか?
生産規模の大きさの問題もあってか自転車のタイヤメーカーは比較的保守的というか何年もモデルチェンジをしない、という印象が強いのです。そんな中登場したラジアルケーシングタイヤは革新をもたらしたと言って過言ではないと思います。別の技術をもってラジアルケーシングの性能に迫るより素直にラジアルケーシング採用したタイヤを開発していく、あるいはもうすでに進めているのではないかなと思います。
とくに王者MAXXISは自転車用ラジアルタイヤはロードバイク用で10年以上前に一度先鞭をつけているので無視はしていない筈です。

SCHWALBEがラジアルケーシングタイヤを世に放ってもうすぐ2年。来年のシーオッタークラッシックが楽しみですね。


IMG_6412.JPEG
MAXXIS RADIALE
もしかして持っていたんじゃないかなと思って探してみたら頭の上にありました。
これ、どうして短命に終わったんでしたっけ? 思い出せません。
自転車用としてラジアルケーシングタイヤが普及しなかった理由としてタイヤの変形量が大きく動力が人力である自転車ではロスが多く不向き、なんて話をどこかで耳にしました。確かにそれはその通りかも。

SCHWALBE ラジアルケーシングタイヤを使用してふと思い出したのが鉄沢さんの組んだARAYA ADX-1にVELOFLEXのRecord Tubelerを貼ったホイールに乗った時のこと。すごく乗り心地が良くてタイヤが路面に貼り付いて、なのに軽くてしっかり加速する。当時すでにコンプリートホイール全盛だったのですが、なんて気持ちのいいホイールなんだと感嘆したものです。タイヤが地面から離れているときは加速もしないしグリップもしない、なんならブレーキも効かない。空気圧を上げて路面との接地面積を減らして摩擦抵抗を減らそうとする考え方はナンセンスなんだ、とどこかで教わったことを思い出しました。もう20年も昔の話ですが


posted by オガワサイクル 店主 at 01:33| 日記

2025年09月23日

Whistler備忘録2025

IMG_9469.JPEG

2025 9/3〜17の間でカナダBC州whistlerでMTB研修を行ってきました。
基本的に前回と同じスタイルですが、今回は少し写真も加えようかと思います。

【パスポート】
前回と同じく、出入国以外で特に出番はない
ETAはパスポートに紐づけられており一昨年申請したのがまだ生きていた(最長5年)
MTBパークでカード作るときにパスポートか国際免許証が必要になり焦ったが一昨年作ったカードがあるとそのまま更新できるので不要だった。同行者の一人が初参加でパスポートを持たずにバイクパークのパスを作りに行ってしまったが「キミ以外は全員一昨年のパス持ってるの? じゃあキミも大丈夫だね」となんかそんなで通ってしまった。
今回も旅券番号が入った顔写真入りのページをスマホで撮影しておいたが役に立つ場面はなかった。

【国際免許】
今回は作らなかった。次回はSquamish辺りにも足を延ばしてみようかと話しているので必要になるかもしれない。何度か助手席に乗る機会あったけど右側走行慣れない。

【海外保険(証券)】
緊急事態で予定を切り上げて帰国する際に飛行機代が出るような特約が付いたものもあるのでそういったものにしておくと安心。急なケガや病気でそもそも出発できなかった際に保証されるものもある。とにかくケチらない。空港で加入するタイプのものだとその辺が甘いものもあるので出入りの保険代理店なんかあればそちらに相談するのが良いと思う。

【SIM】
前回はスマホがSIMロックされているというまさかの事態で派手にしくじったが今回は問題なく開通できた。もちろんeSIM
代理店はイエローモバイル、PHONEBOXでカナダでのキャリアはTELUS
同じイエローモバイルで申し込んだけどBELLの人もいて謎だった
1か月60GBで1650円+38CAD+5CAD(TAX)
山中でTRAILFORK使った感じ、BELLよりTELUSのがつながり良い感じ
モバイルデータ通信と現地での番号も取得(現地の迷惑電話がとても鬱陶しかった)

【スマホ】
今回は一昨年に交換したiPhone15だったので何も問題なし

【クレジットカード】
VISA、MASTER JCBと3枚用意していったが事前に紐づけておいたapplepayで99%決済出来た
applepayが使えなかったのはブラッコムのゴンドラのパスの購入と帰国時に預入荷物の会計をした際の空港のカウンターだけ。

【BLACKCOMBゴンドラパス】
今回はautumn pass unlimitedを購入。450CAD
回数気にせずに乗れるのは気楽。半日トレイルライドして半日パークライド、なんてこともできる。

【LCC】
行きはZIPAIRだったのだけども席以外のすべてが有料って感じの乗り物だった(国際線LCC初めて)
WIFI飛んでるとはいうけど繋がるとは言っていないので必要なコンテンツは予めダウンロードを済ませておくことが肝要だと学んだ。

【現金(加弗)】
日本で出国審査後に2万円分(≒170CAD)両替
殆ど出番はなかったので相当余るかと思ったがなんやかんやあってほぼ使い切った
バスは2.5CAD
コインランドリーが2CAD

【イヤホン】
9時には消灯10時には就寝するので思いのほか使わなかったが、まぁまぁ役に立った

【モバイルバッテリー】
1個持って行った。これもちょっとだけ役に立った

【充電器】
相変わらず三芯の充電コンセントを二芯で使うとぐらつく
三芯用のアダプターが欲しいと思った

【アクションカム】
昨年の反省を踏まえつつもまたも転倒時にgoproが胸に突き刺さる。第三肋軟骨を痛める
後半ハンドルにマウントして使用してたがgoproの手ぶれ補正機能は世界一、これで十分ではないかと思う。
撮った映像はCloudにアップロード、と思っていたのだがwifiが貧弱でアップロードできず
SDカードを256+64で持って行ったので14日間のライドをギリギリ収め切ることができた

【盗難対策】
AIRTAGは今回も使用せず。ZIP AIRとAIRCanadaを信じる
ロッカー用南京錠も1部屋借り切っていたので結局使用せず
ワイヤーロックも一応持って行ったがほぼ使わなかった。治安があまりに良すぎる。

【衣類】
シャツ、パンツ、靴下は今着ている分を除いて+3日分持って行ったがちょっと多い。
洗濯もするのだし+2日分で十分
途中凄く寒い日があり現地でフーディを1枚購入
とにかく足りないものは現地購入。そんなに高くないし自身への土産になるのがいい。
タオルはフェイスタオルを2枚持って行ったが1枚でもよかった。次持って行くならなるたけボロいやつ
寝間着は持って行ったが要らないかな、と思ったが最終日普通の服で寝たら寝つき悪かったのでやはり要る
グローブも2双持って行ったが1双で十分。現地で買った方が良い
レインウェアは使用しなかったが運が良かっただけなので次回も持って行く。
洗濯ネットは結局要らなかった。あれに入れたままだと汚れ落ちにくいし乾きにくい。
飛行機に搭乗するときはロングのライドパンツ&薄手のロングスリーブネルシャツにすると荷物を減らせる。足元はサンダル。帽子は持って行くな。買って帰れ。
以上をふまえて
・下着x2(ボクサーパンツ)
・靴下x3(ライドソックス2 リラックス用1)
・Tシャツx2(ロング&ショート)
・ライドアンダーx3
・パッド入りパンツx3(ビブショーツが好ましい)
・ライドジャージx3(2でもいい)
・ライドパンツx2
・レインウェア

【エチケットキット】
基本的には前回と同じ。爪切りは重宝した
耳かきも欲しかった。
あと、出国前に足の爪は切っておいたほうが良い

【履物】
ライドシューズ1足とサンダル1足
行き、ライドシューズはバイクと一緒に梱包してサンダルで搭乗すべきだった

【薬類】
これも前回と同じ
湿布(経皮鎮痛消炎剤)は十分な量を携行して用を為した。
テーピングは持って行ったが使いかけのをちょろっと持って行っただけなのでちゃんと1巻持って行くべきだった。
のど飴は持って行ったが使用せず。乾燥して埃っぽい日が続いたが喉を傷めるようなことはなかった。
グリコのエキストラアミノアシッドはまた持って行くの忘れた。代わりにアミノバイタルプロは持って行ったがほとんど飲まなかった。日々の食事と睡眠が丁寧だったおかげだろうか。
プロテインとゲータレードは現地調達したがほとんど飲まず。かなり余った。でも少しはあった方がいい。

梅丹本舗 2RUNは昨年の反省を踏まえてたっぷり持って行ったが結局3包程度しか使わず
脚攣るのは時差ボケが解消するまでだった
プロテクターで圧迫したまま登坂するのはやめよう
あと、脚攣った夜は足を布団で包んで血流を促進してあげると回復が早いし夜間に脚攣りがない

リップクリームは少し使った。日焼け止めも持って行ったが使わなかった。

ビタミン系のサプリタブレットも持って行ったがこれもほとんど飲まず。日常の食事から十分に摂取できた。

【虫よけ】
一昨年6月は相当蚊にやられたが今年の9月はまったく蚊がおらず頗る快適だった
虫よけも持って行ったが出番なし

【ティーパック】
珈琲も紅茶も嗜まない私だけど嗜好品として唯一欲しくなったのが日本茶
ティーパックなら軽いし嵩張らないし、次回は持って行こうと思う。

【箸】
当たり前にあるものが無いとけっこう不便に感じる。割り箸でいいから何本か持っていくと食事のQOLはちょい上がりすると思う。

【ティッシュペーパー】
ティッシュがね。無いのよ意外と。スーパーでも売ってたか? 見落としてただけか?
ボックスティッシュ1個箱に突っ込んでおくと便利かもしんないと思った。
無くてもどうにかなったけども。

【書類】
MSDS(油脂類のデータシート)は今回も提出は求められず
チケットやなんやかんやは殆どスマホで解決した
税関申告書もVisit japanで事前に済ませておくと楽

【お土産】
買って帰るものではなくて持って行くもの
どこでだれの世話になるかわからないし、アテがあるなら無駄になるかもしれないけど持って行った方が良い。いろんなことを円滑に進めるために

買って帰るものは大体空港で買える。バイクと一緒に詰めるならチェックイン前に。でもチェックイン後に免税店で買った方がなんやかんや楽かも。混ぜもん無しのSingle Forestの100%のメープルシロップはあんまし売っていない。チェックイン後の免税店でやっと見つけた。

【名刺とステッカー】
日本の名刺なんてあっても仕方ないと思ったら案外持ってたらよかったのにという場面があった。
ステッカーは、私もステッカーボムやりたい(控えめ)

【ボトル】
Fidlockで1本持って行ったがボトルケージにして現地でボトル買って使った方がいいね。自分へのお土産になる

【工具類】
L字の六角セット1つ段ボールに貼り付けておくとバイクの組み立て楽だったなと思う
Switch infinityのグリスアップは事前に済ませておいたのでグリスや工具は持って行かなかった
フェンダーの取り付け用にニッパー持って行ったのは偉かったと思うが、そもそもあの環境でフェンダーが要ったか? とも思う。
ブレーキパッドの予備とディレーラーハンガーは持って行ったが幸いなことに出番なし

【粘着テープ】
使いかけ持って行ったら丁度使い切れた。良かった

【タイラップ】
用意するも出番なし。
いやウソ、フェンダー固定するのに使ったわ。
やはり念のために持っていくべき

【携帯枕】
役に立ったような立たなかったような。まぁ次も持って行く

【バックパック】
ライド用はUSWE AIRBORN15
酷使によりストラップの縫製が切れかかっていたが何とか耐えきった
もう破棄かと諦めかけていたが調べるとアクションカム対応のハーネスが別売りで流通しているようなのでそれを使用して補修することにする。NDM本当に快適。日本で取り扱い亡くなったのが残念。

手荷物用のバッグはRLMTWのBAMBI
ZIPAIRの手荷物が7kgまでとシビアだったので今回はOLTLIEBはパス
しかし当日の計量がザルだったので次回はOLTLIEBにしようと思う

【ヒップバッグ】
持って行かないと持って行った方が良かったかなと思う。

【ポケッタブルバッグ】
畳むと握りこぶしサイズくらいになるやつ。これがあると買い出しで重宝する
現地調達した。次も持って行く。

【プロテクター類】
肘膝はBLUEGLASSで、ボディプロテクターはTLDのROCKFIGHT D3Oを新調
ボディプロテクターはハードとソフトと2個持って行ったがハードだけでよかった
なお重複したソフトは同行者に貸したので無駄にならずに済んだ

【ライドシューズ】
CRANKBROTHERSのSTAMP
当たり前だが使い慣れたものがいい

【ヘルメット】
フルフェイスはTLD D4、ハーフはKASK REXと一昨年と同じ

【アイウェア】
ゴーグルは100%、サングラスはKOO。特に何もなく

【ヘッドウェア】
ヘルメットの下にかぶるキャップを3枚

【ウインドブレーカー】
むかしディストリビューターに貰った適当なやつを持って行った。ほどほどに役立った。最低気温が一桁になる日もあった。
一昨年現地で購入したchromagのウインドブレーカーを忘れてきたのだが、ワンチャン残っていないかとホテルに尋ねたがやっぱりなかった。当たり前だ

【バイク】
IMG_6063 (1).JPEG

YETI SB150
一昨年に使用したものと同じもので仕様もほぼ変更なし。
日本では過剰かと思われるエンデユーロバイクの性能が遺憾なく発揮できる。なんならDHバイクが欲しいと思う瞬間も少なくない。

タイヤはSCHWALBEのALBERT GRAVITY PRO/ULTRASOFT(29x2.5)を前後に装着(後輪はTannus Armour Tubeless Proを使用)
これは最高のタイヤだった。高圧にしてもしなやかさを失わず、低圧ならば異次元の貼り付き感
定番の2:3パターンのノブはドライで最高のグリップを生み出してくれた。
スラブはもちろんルーツもロックもこれのお陰で安心して攻められた。もちろんパンクは無し
フロントはTRAIL PROにして少し軽くしても良いかもしれない。

フロントチェーンホイールにOchainを装着
本来は32Tが装着可能最小歯数なのだが加工してチェーンラインを合わせて30Tを装着。問題なく動作。
これもとても良かった。端的にリアショックをグレードアップするよりもこれを装着した方がリアタイヤの作動感は良くなるのでは? と思う。ハイスピードのロックセクションなんかでペダルの上に立った時の安定感といったらちょっと今まで感じたことのないレベル。そりゃノーチェーンとか流行るわけである。

バイクパークでノーチェーンのライダーちらほら見ました。スプロケもチェーンもチェーンリングもリアメカも何もついてないの。大人用キックバイク。

岩場の登坂やドロップインの際にチェーンリング擦る場面が何度かあったので次回はバッシュガード装着する

switchgradeは一昨年来たときは丁度発売したばかりだったのだがその時の同行者がいち早く装着しており感想を尋ねると超楽だというのでその後帰国して装着。超楽
脚を残してゆっくりと確実に登るには絶対にあった方が良い。

フェンダーは前回同様FOX純正38/36用の純正を持って行く予定だったが事前のリサーチで新設されたリフトFitzsimmons 8 Expressのローダーに前輪を嵌めこむとフェンダーとのクリアランスがが確保できず破損する場合があると聞いていたのでMarshGuardに変更。これペラペラで荷物の隙間に挟み込めたのでとても楽だった。
ただ、いまにして思えばフェンダー必要な場面てほとんどなかったなって思う。

予備チューブやツールなどはハイドレーションバッグに放り込んだがEWS走るライダーのようにストレージバンドなんかを使用してフレームに装着した方が良いかもしれない。バイクは重くなるが身に着けるものが減る方がアドかもしれない。

カーボンリムの場合は頑丈なものがマスト。重量は450g以上で厚みは3mmは欲しい。特に後輪。
320gの軽量カーボンリム使っていた同行者は最終日1日前に割っていた。ちゃんとインサートも入れていたけれど。
個人的に計量リム+インサートならインサート無しの肉厚リムの方がアドではないかと思う。
あと意外に見落としがちなのがニップル。長く使ったアルミニップルは腐食で脆くなっているものが多いので必ず確認した方が良い。

ステアリングコラム内に忍ばせたGranite DesignのSTASH multitoolはとても役に立ったが、これSTASH RT ratchettoolであればもっと便利だったかも、と思った。ビットとエクステ用意すれば大抵のサイズ行ける。


IMG_5439.JPEG

ブレーキマスターはオープンクランプなのでハンドルバーはいっそ外してしまえばスマートに梱包できるなと思った。行きは前後ブレーキローターを外して段ボール脇に作ったポケットに仕舞ったが帰りは前ローターのみ外して後ろは外さなかった。帰国後確認。問題なし。何なら前も外さずとも行けたかもしれない。

バイクの梱包は三辺の合計が292cm、重量が32kg以下であればOK。
行きの便は計量があるがかなりおおざっぱ。量りに乗せてシビアに調整したのがアホ臭くなるくらいざっくり。これは前回(westjet)も同様
帰りは計量はないが開封して内容物の検査を求められるので粘着テープで閉じずに検査場へ持って行く

【9月のWhistlerについて】
〇雨が無い
〇涼しい
〇乾燥している
◎残暑厳しく台風銀座となる日本を脱出して快適な環境で毎日ライドできる。
〇ブラッコムのシーズン券が安い(autumn ticket unlimited:450CAD 5DAYS:420CAD)
▲ちょっと寒い
▲乾燥している(山火事が増える)
×Whistler village gondolaが9/1までしか営業していないのでPeak Expressにたどり着くのにGarbanzo Express降りてから急勾配をがっつり押し上げなければならない(慣れた)
×日本に戻ってからの虚無感があまりに大きい。

【宿泊】
日本人スタッフがいたのは助かった
相変わらずキッチンの包丁は切れない
ベッドは快適とは言い難いが耐え難いわけでもない。慣れる。
このホテルに限った話ではないがWhistlerは上水道の水が美味い。ちゃんと軟水でひんやりしている。
これ、冷静に考えると大変なアドバンテージで上水道をそのまま飲めないとミネラルウォーターを購入必要があるのだけど半月で40l/人 くらい必要になる。

IMG_5910.JPEG

公園とかバイクパークとか、どこでも給水できる。そして美味い。AirCanadaで配られたミネラルウォーターより美味い。
日本は水と安全がタダと言われていたがWhistlerはそれ以上だと感じた。

そういえば、一昨年と合わせて延べ1ヵ月カナダに滞在したけど一度もテレビを観なかった。
観なかったというか、無かった。ホテルにも、公共の場所にも、どこにもテレビが無い
帰国してから気が付いた。
posted by オガワサイクル 店主 at 19:50| Comment(0) | 日記

2025年06月06日

FAIRDALE ELEVATOR

【MTBって、自由ですか?】
「街乗りで使えて、山の中で走れて、GONZO PARKとかでジャンプとかもやってみたくて、たまにはゲレンデ行ってダウンヒルとかもやってみたい、基礎的な練習もできる、とりあえずそんなバイクが欲しいです」
自転車屋を20年以上やっていて1000回は聞いてきたリクエストです。そしてきっとこの先も死ぬまで聞き続けることになるでしょう。

そうやって訪ねてくるお客さんはイッコも悪くありません。
そらそうです、安くないお金を払って手に入れる自転車、なんでもできる1台が欲しいですよね。ステップアップの1台だからテキトーでいいよ、どうせすぐ新しいの欲しくなるし、なんて人はそんなにはいません。稀にいます。

しかし、90年代ならいざ知らず、現代のMTBは細分化され過ぎました。簡単に分類するだけでもクロスカントリー、トレイル、エンデューロ、ダウンヒルと基本的なものに加えてダートジャンプ、トライアルと、これだけたくさんあるのですが専門性の高い分野も含めて一括りに「MTB」となってしまいます。XCバイクでダウンヒルすることもエンデューロバイクでXCレースにエントリーすることも、何も問題はありません。技術と体力の許す範囲で走ればいいのです。

但し、やりたいことが明確な場合はそれに適した自転車のピントがずれていると「可能ではあるけれどもなんか面白くない」が発生してしまい、せっかくの息抜きが苦行となってしまいます。
ですので、最初の1台を選択してもらう際にどこにピントを合わせるかが重要となり、どういった遊びがしたい、何ができるようになりたいかをじっくりと時間をかけて問診して引き出します。

ここで文頭に戻るのですが最初からやりたいことが明確な人なんて殆どいません。なんか面白そうだから。なんか友達がやってるから(この場合は一緒に走るライダーが重要になってきます)なんかyoutubeで見て格好良かったから。なんとなくもやがかかったような薄ぼんやりした回答ですが、どれも大いに結構、最初のきっかけなんてみんなそんなものです。
そんな曖昧なモチベーションをどう固定化するかが自転車屋の接客の肝だと思っとります。

「街乗り、トレイルライド、ダートジャンプ、パークライド、スキルアップ」
すべてをフォローするバイク、それがFAIRDALEのELEVATORです。
幾分の誇張と誤解も含みますがそれはこの先順繰りに説明させていただきたいと思います。

【What's FAIRDALE?】
FAIRDALEは2010年にBMXのレジェンドライダーでTerrible oneの創始者の一人であったTaj Lucas mihenrich(以下Taj(タジ))が現役ライダー時代にスポンサーであったOdysseyの協力のもとに新たに起こしたバイクブランドです。

ご存じない方もいらっしゃるかもしれないので少し触れますが、OdysseyはBMXのパーツブランドです。90年代にはMTB向けパーツも手掛けておりましたが基本はBMXのパーツブランドです。フレームやコンプリートバイクはやっておりません。BMX業界におけるシマノ、といったらいささか大げさですがそんな感じです。
41thermalという熱処理技術を用いて製造されたハンドルバーやフォークは軽量かつ強靭で、壊してナンボのBMXストリート業界にはじめて生涯補償の概念を持ち込んだ画期的なブランドでもあります。
odyssey-bmx-logo-vector.png

FAIRDALEはBMXブランドではありません。どちらかといえば街乗り用のコミューターやグラベルバイク、サイクリング車などを手掛けております。TAJが「昨今の自転車は複雑すぎる。自転車ってもっとシンプルでプリミティブであるべき(意訳)」といった信念に基づいたプロダクトです
FAIRDALE-logo.png

IMG_4230.JPEG

【跳べる! 下れる! FAIRDALE!】
FAIRDALEのELEVATORは「29er CHROMORY HARDTAIL WITH BMX BACKGROUND」という釣書きがぶら下がっています。注目してほしいのはこのBMX BACKGROUNDの部分
BMXを下敷きにしたバイクってことです。とてもわかりやすいですね。
TAJ自身がBMXライダーであり、周囲にBMXライダーが多くいる環境で、そんなBMXライダーが気持ちよくライディングできるトレイルバイクを目指した・・・のでしょうか?

【特徴的なジオメトリ】

IMG_4232.JPEG
特筆すべきは406mm(16in)と29erにしては異例の短さを誇るチェーンステイ長。
跨ってみると尻の真下にリアハブがあるかのように錯覚します。
29erのMTBとしては私の知る限り最も短い寸法です。
ここまで短いチェーンステイながらちゃんと現在の主流である2.5インチのタイヤをゆとりをもって装着できます。
リーチはS:445mm M:463mm L482mm
マスプロのサイズ感と比較すると若干長めでしょうか。
ハンガードロップは-50mmとこちらもやや高めですが標準の範囲内。

IMG_4234.JPEG
ヘッドアングルは65.5° 130mmトラベルのフォークとしてはこれも標準的。
シートチューブはS:360mm M:380mm L:400mmと短めなのでロングトラベルのドロッパーポストがしっかりと挿入できます。
チェーンステイが極端に短いこと以外はそこまで特殊なジオメトリではありませんね。
フレームの工作についても少し触れますとケーブル類はドロッパーポストのケーブルのシートチューブへの引き込みを除いてすべてエクスターナル(外装)です。最近のすっきりとした外観に慣れた方には美しくないと感じるかもしれませんがコレを奇麗に見せるのもメカの腕の見せ所、ということで私は嫌いではありません。

https://ride2rock.jp/products/139751/
試乗に使ったバイクの仕様は上記リンクより
フレームサイズはM
タイヤはチューブドで空気圧は前後20PSI(トレイルライド、GONZOPARKともに)


【予想通りだったところと、予想以上だったところ】
トレイルライド編
フローな路面ではとても気持ちよく加速し、バイクの上に立っているだけでプッシュが入る。
チェーンステイの短さのおかげかドロップオフでベーシックな送り出しがやり易い。
後輪のレスポンスはよく言えば機敏、悪く言えば神経質。
タイトターンでの旋回性能は抜群で、低速で小回りが必要な場面なんかでとてもきびきび回る。
反面、スイートスポットが掴みにくく前に乗れば後ろが流れやすいし後ろに乗るとアンダーが出やすい。
ただ、ポジティブにとらえるならリアを流しやすいのでそういう走りを目指すのであればとてもやり易い。チェーンステイが長いとこの辺の感覚はボンヤリするんですよね。代わりに路面からの突き上げの角が取れて安定感が増します。チェーンステイが長いとスイートスポットが広く真ん中に乗りやすいというのもあります。
今回ELEVATORという極端を経験したことで今まで考えていたことの裏付けが取れたことが沢山あったのは得難い収穫でした。

そしてこれも嬉しい想定外だったのですが、リアブレーキがとてもよく効くように感じました。SRAM DB8に180mmローターという組み合わせに、きっと悪くはないのだろうけどそこそこだろうと思っていたのですが200mmローターかなってくらいしっかりと効きました。これはきっとスタンディング状態で自然と後輪に荷重されるジオメトリなのが効果的なのでしょう。

ハイスピードのガレ場は一言でいうならばロデオ。
最近はフルサスに乗ることが多かったせいもあるのですが、バイクから振り落とされないように必死でした。足(脚)は踏ん張るだけではだめで、しっかりと路面予測して膝と踝を柔らかく使えないとペダルから弾かれて踏み外します。チェーンステイの短さも相まってリアがとても硬く感じます。しなやかで乗り心地が良いとは感じませんでした。中低速やフローな場面では効果的だったリアブレーキもこれだけ暴れるくんだとそこまでの効果は実感できません。

IMG_4415.JPEG
ペダルから落ちそうになる、バイクから振り落とされそうになる、ならばビンディングペダルならばどうだと試してみました。結果ペダルから弾かれる感じはなくなりだいぶ楽になりました。ただ、なんとなくこのバイクにビンディングペダルは似合わないなぁと、これは個人の感想です。

登坂能力は非常に良好。尻の直下に後輪があるような感覚なのでテクニカルなシングルトラックで後輪のトラクションが抜けにくく、フロントリフトが簡単に入るので段差があるところの乗り越えなんかはとてもやり易い。これは例えば下りの途中で突然目の前に倒木が!フロントリフト間に合うか!? ってな場面で間に合ったりします(間に合いました)
逆に登坂時に前輪がふらつくことはないか? という点に関しましてはスティープ(急勾配)でテクニカルなシングルトラックの登りにおいても特別不安定さは感じませんでした。


ダートジャンプ編
IMG_1713 (1).JPEG
GONZOPARKに持ち込んで使ってみました。
29インチなのに気持ち悪いくらい一体感があってジャンプが飛べます。
29インチのMTBでBMX向きに作られたダートジャンプやるとリアタイヤの位置に神経を集中させてなんとかバックサイドに引っかけないように、という風になるのだけれどもこのバイクはそんな必要が全くありません。ダートジャンプ用のMTBやBMXのように、リアタイヤが勝手に身体についてくる。
そして29インチのホイールの恩恵でしょう、スピードがめちゃくちゃ乗ります。バイクの上で立っているだけでプッシュが入る、と前述しましたがバックサイドに丁寧に入れるだけで一気に加速します。積極的にプッシュ入れるとちょっと飛び過ぎてしまうくらいでした。

平地編
IMG_4256 (1).JPEG
スタンディングがパッとできる。バランスをとれる良い位置を探さなくてもピタッと静止できる。ブレーキをかけなくても楽勝。
ダニエルも容易。ジオメトリもそうなのだけれどそもそもトレイルバイク用なのでしっかりと効くブレーキが装着されているのがいいです。ジャックナイフは普通かな。可不可無し。

通常の29インチのハードテイルバイクだとチェーンステイが420〜450mmくらいあっておおよそ長くなるほどにフロントが上がりにくくなるのですがこのELEVATORはチェーンステイ406mmと短いお陰で軽いアクションでフロントアップできます。
ですので、バニーホップも29とは思えないくらいやり易い、というかこのやり易さは29インチなればこそかと思いました。
というのも、バニーホップの動作の際に後輪を強く蹴り出す動作があるのですが、BMX等の車輪径が小さい自転車だとバニーホップの際に捲くれ上がることがあります。その捲くれやすさこそがバニーホップのやり易さの源泉なのですが、勢いが余って(もしくは蹴り出すベクトルを誤って)後ろへひっくり返ることも。この時の恐怖感が思い切りの良い蹴り出しを封印してしまう原因となるのですけれども、このバイクだと強く蹴っても捲くれ上がりません。
コレで捲くれ上がるくらい強く蹴れるスキルがある人はそもそもバニーホップが跳べる人だと思います。
マニュアルも同様の理由でやり易いですが、さすがに前輪がちょっと重いですね。

まとめると
・平地での扱いは◎ 小技がやりやすく練習も楽しい。バニーホップやマニュアルのようなフロントリフトする技をしたときに捲くれ上がって抜けることが少ないのでトライする際の心理的な負荷が少ない。
・パンプトラック、ダートジャンプコースも◎ ジャンプの踏切の際にしっかり後輪を残せる、残しやすい。プッシュが入りやすくスピードが伸びる。レースコースのようなリップの立っていないジャンプも車輪の大きさで押し切れるし着地も安定する。
・トレイルライドは△ ライダーにやさしいバイクではなく、バイク任せで楽には下れない。どこまでもイニシアチブはライダーにあって積極的にバイクを操っていく必要がある。乗りこなすことを求められるバイクなのだけれど上手くハマるととても気持ちいい。自分でペースを作って走っているうちは気持ちいいけど、フルサスのトレイルバイクやエンデューロバイクと一緒に走って着いて行こうとするとところどころでウワーってなると思います。同じようなスチール製のハードテイルバイクでもchromagのRootdownみたいなバイクと比較すると「きっつ……」って感じると思います。

それはそれとして、乗りこなすことを求めてくる存在ってなんか格好良く感じませんか?


【どんな人にオススメか】
ベーシックなスキルが身についている中級者以上であればこのバイクの面白いところを引き出せて自在に操れる。難しい場面でも乗りこなす楽しみを見出せるのではないでしょうか。
未経験者〜初心者は、トレイルライドでの扱いのシビアさに面喰い、期待に胸弾ませて臨むと「こんなはずでは」と思うかもしれません。バイクが楽をさせてくれないんですよね。

だとしても

この自転車を初心者の人に乗ってもらいたいと思うのです。
とにかく平地でのアクションがやり易く、それが練習をしようって気にさせてくれる。90年代の26インチのMTB感があるんですよ。1台でなんでもトライしていたのが普通だったあの時代。
このバイクで街乗りしながら街に溢れる段差やスロープをセクションと見立ててクリアにチャレンジする。サドルは上がるしギアもあるから距離を稼ぐのも困難ではないトレイルヘッドまでの自走も快適。パンプトラックやパークでも気持ちよく乗れる。そうやってバイクに跨る機会が増えることで自然と上達する。そんなことを期待させてくれるバイクなんですよ。

YOUTUBEなどで見られる動画と現実の乖離
それをほんの少し埋めてくれるバイクです。


【レコメンド・アッセンブリ】
フォークは、可能であれば良いものをつけたい。ハードテイルあるあるなのなのですが、リアサスがない分リアから入力された衝撃もフロントフォークで受け流す必要があるので高性能なフォークを装着したいのです。とはいえあまり重いとこのバイクの運動性能を損なうのでFOXなら34、36SL、36くらい。ROCKSHOXならPIKE、Lyricくらいでしょうか。DVOのDIAMOND D1 SLのグレーが色がマッチして良いなぁと、これは個人的な好み。

IMG_4298.JPEG
写真はお客さんからの依頼で仕立てた1台。
フォークはBomber Z2でメーカー推奨より10mm長い140mm仕様
セットアップでSAGを多めに設定してAirvolume Spacerも推奨+1個(10cc)にしました。
やはりBMXライダーでレスポンスの良いバイクを好む方ですが反応は概ね上々です。

ブレーキは、モジュレーション(コントロール性)よりもストッピングに寄ったハイパワーなブレーキを装着するとトライアル遊びが捗りそうです。MAGURAのMT7やHOPEのTECH4、HAYESのDOMINIONなんかが良さそう。ストッピングとモジュレーションと両立させるならローターは前後180でいいかも。

タイヤはフロントはそれなりにしっかりとグリップするものがあったほうがトレイルライドが快適ですが、リアはいっそ軽さ重視にしたほうが良いのではないだろうかと。リアにDHケーシングでウルトラソフトなコンパウンドのタイヤを嵌めたところでその性能を活かしきれる気がしないんですよ。であればなるたけ軽い、たとえばREKON RACEやWICKIEDWILLのようなダウンカントリー向けのタイヤや、いっそASPENのようなガチンコXCタイヤも面白いかもしれません。MINION SSやROCKRAZERのような振り切ったタイヤがあれば見た目も踏まえてパーフェクトなんですがあれらの29インチって今は出ていませんでしたよね?













【27.5にしなかった理由】
ここから先はすべて想像になります。

なぜ29にしたのか。27.5の方がシンプルに運動性能上がったのではないだろうかと乗りながらずっと考えていました。
27.5専用設計とまではいかなくても27.5コンパチ設計、29/27.5マレットホイールくらいは考えても良かったのではないだろうかと。

IMG_4592.JPEG
写真の通りチェーンステイに括れがあるため27.5のリアホイールは入りません。
現在のMTBシーンの中心は間違いなく29インチにあります。27.5はリアホイールでのみ存在意義が確立されている感じです。27.5をスモールホイールと揶揄するつもりはありませんので誤解せぬよう。
ただ、ここまで極端なフレームを設計した時点で27.5がマイノリティであるとかそんなことを気にする人ではないと思うんですよね、TAJは。

少なくともチェーンステイをストレートに設計すれば推奨するしないはさておき27.5のホイールは装着できるわけで、それをしなかったのは27.5ではTAJの狙った性能を出せなかったから? 狙った性能ってなんだ?
29/27.5ホイールセットにするとジャンプした時のバランスが良くないとは登場した時から言われていますがそれでしょうか?
29ベースのバイクでマレット設計を許容するとBBハイトも下がるしヘッドアングルやシートアングルも寝る。そうならないようにジオメトリを担保にするようなギミックは加えたくない。あるいは、同一ジオメトリで27.5も実は設計しており試していた?

ELEVATORが発表されたのが24年4月のseaotter classic
その半年ほど前にウィスラーで偶然邂逅したTAJはCHROMAGのSTYLUSに乗っていました。
IMG_2143.JPEG

IMG_2147.JPEG

IMG_2144.JPEG

フロント29インチ、リア27.5のマレット仕様
なので、ELEVATORをマレット仕様にするって発想もなくはなかったんじゃないかと思うんですよ。

そもそもこれを誰に向けて設計したのか。BMXをバックグラウンドにして、BMXライダーに乗らせたかったのか。たぶんこれは違うと思います。BMXライダーはBMXにしか乗りません(偏見)BMXは究極の乗り物なのでほかの乗り物に浮気する余地など無いのです。BMXをバックグラウンドにして、しかしBMXライダーの方を向いて設計したわけではないと仮定するとじゃあ何を狙ってこんな外連味のあるフレームを作ったのかと。

やはりMTBライダー、それも初級〜中級のライダーに向けて作ったんじゃないかと思います。
軽くも快適でもないけど圧倒的に自由で何でも挑戦できる。

この文章を書きながら一つの動画を思い出し、そして得心しました。

s-l1200.png
https://vimeo.com/3585895

Eddie Roman's Hammertime
95年に発表されたMTB&BMXのライドフィルム
VHS時代に入手して文字通りテープが擦り切れるくらい観ました
トレイルライド、ダートジャンプ、トライアル
みんな同じようなバイクでやっとりますよね。昨今のムービーみたいにド派手じゃないけど身近で何なら我々でも真似出来そうな気すらする。
私の憧れたMTBライドは全部ここにあります。Aran Fsoterのライドが特に良い。

繰り返しになりますが、29インチのMTBというのは現代のメインストリームです。スタンダードです。
細分化され過ぎたMTBというジャンルへのアンチテーゼなんていったら言い過ぎだと思いますが、コレじゃできない、アレは向いてないっていう前に手元にある自転車で遊んでみないよ? やりにくい? じゃあこのELEVATORでやってみなよ。やり易いだろう。ほれ、できたじゃない。これでできたならキミのそれでもきっとできるよ。
そんなことを訴えるために29インチであったと考えるのは妄想が過ぎるでしょうか?
最新であると同時に懐かしさも訴えるこのELEVATORというフレームにそんな夢を見ました。

IMG_4559.JPEG
パンプトラックで出会った少年が乗っていたMTBの後輪。
高級車でも専用車でもない普通の入門用のMTBでジャンプもガンガン飛んでいます。
これだよこれ! と感動しました。

ELEVATORは特別な自転車ですがそれは皆が当たり前に持っている自転車の可能性を可視化してくれたというのが真に特別なところだと思います。

大げさすぎる。作った人はそんなことは考えていないと思うよ。妄想が幻覚の域に入ってしまった。

シャラップ

それくらいのパワーと矜持のあるブランドだと思うんですよ。FAIRDALEは。
posted by オガワサイクル 店主 at 01:49| 日記

2025年02月12日

ONZO JEANS

ONZO JEANSの新作のジーンズが届きましたので早速使ってみました。

IMG_3483.JPEG

従来型から継続されるストレート(BO-SL100)とスキニー(SK-SL000)に加え新作としてテーパード(TS-SL200)がラインナップに追加されました。
今回は従来型との比較がメインでしたので一番ヘビーローテーションで使用しているストレートを選択しました。

IMG_3487.JPEG

脚を通して直ぐに気付くのが履き心地の圧倒的な軽さ。
従来型のSL100の時も軽いと感じましたがあくまでジーンズなりの軽さ。今回の軽さは「これはジーンズか?」と目を疑うような軽さです。スウェットのような軽さといえば少し大げさかもしれませんがそれくらい軽いです。

IMG_3497.JPEG

ライドにも使ってみたところストレッチ性が良くなり膝や股関節周りが動かしやすくなりました。またその際にバックヨーク(腰の後ろ辺り)が突っ張る感じがなくなったのがとても快適です。ここが引っ張られないからベルトを通さなくても下がってくる感じがないんですよ。ライドでヒップバッグを使うことが多い昨今ではここがズレることが多いのですが、ほとんど気にならなくなりました。

IMG_3513.JPEG

今までと大きく違う点として生地の使い分けがあるそうです。
二層の生地と単層の生地を部分によって使い分けることで耐久性と柔軟性を担保しているのがONZO JEANSの特徴ですが、新型は従来型と比較して単層の部分が増えているそうです。
これによって風通しを良くし清涼感を出し夏場でも快適に使用できるようになっているとのことです。

IMG_3509.JPEG
写真左が従来型、写真右が新型
従来型にあった内腿に縫い目が来ない特徴的な裁断は今回は採用されませんでしたが新型は縫い方が変えてあるようです。縫い目が肌に触れて不快という感じは全くありませんでした。
新型の前身ごろはステッチを増やして耐久性を強化されています。

動きやすいストレッチジーンズからジーンズライクなスポーツ用のパンツへと大きく変革した一本という印象です。

お求めはONZOオフィシャル通販もしくは当店にてお申し付けください。



posted by オガワサイクル 店主 at 23:18| Comment(0) | 日記

2024年08月08日

お盆の営業案内

IMG_1482.JPEG

8/12(月) 臨時休業 ふじてんリゾート
8/13(火) 通常営業予定
8/14(水) 定休日 阿寺MTBパーク
8/15(木) 通常営業予定
8/16(金) 12:30開店予定
8/17(土) 18:00閉店予定
8/18(日) 通常営業予定
8/19(月) 臨時休業 富士見パノラマMTBパーク

通常営業予定の日も突発で休みや短縮営業になり場合もあります。
よろしくお願い申し上げます。
posted by オガワサイクル 店主 at 12:47| Comment(0) | 日記