2025年06月06日

FAIRDALE ELEVATOR

【MTBって、自由ですか?】
「街乗りで使えて、山の中で走れて、GONZO PARKとかでジャンプとかもやってみたくて、たまにはゲレンデ行ってダウンヒルとかもやってみたい、基礎的な練習もできる、とりあえずそんなバイクが欲しいです」
自転車屋を20年以上やっていて1000回は聞いてきたリクエストです。そしてきっとこの先も死ぬまで聞き続けることになるでしょう。

そうやって訪ねてくるお客さんはイッコも悪くありません。
そらそうです、安くないお金を払って手に入れる自転車、なんでもできる1台が欲しいですよね。ステップアップの1台だからテキトーでいいよ、どうせすぐ新しいの欲しくなるし、なんて人はそんなにはいません。稀にいます。

しかし、90年代ならいざ知らず、現代のMTBは細分化され過ぎました。簡単に分類するだけでもクロスカントリー、トレイル、エンデューロ、ダウンヒルと基本的なものに加えてダートジャンプ、トライアルと、これだけたくさんあるのですが専門性の高い分野も含めて一括りに「MTB」となってしまいます。XCバイクでダウンヒルすることもエンデューロバイクでXCレースにエントリーすることも、何も問題はありません。技術と体力の許す範囲で走ればいいのです。

但し、やりたいことが明確な場合はそれに適した自転車のピントがずれていると「可能ではあるけれどもなんか面白くない」が発生してしまい、せっかくの息抜きが苦行となってしまいます。
ですので、最初の1台を選択してもらう際にどこにピントを合わせるかが重要となり、どういった遊びがしたい、何ができるようになりたいかをじっくりと時間をかけて問診して引き出します。

ここで文頭に戻るのですが最初からやりたいことが明確な人なんて殆どいません。なんか面白そうだから。なんか友達がやってるから(この場合は一緒に走るライダーが重要になってきます)なんかyoutubeで見て格好良かったから。なんとなくもやがかかったような薄ぼんやりした回答ですが、どれも大いに結構、最初のきっかけなんてみんなそんなものです。
そんな曖昧なモチベーションをどう固定化するかが自転車屋の接客の肝だと思っとります。

「街乗り、トレイルライド、ダートジャンプ、パークライド、スキルアップ」
すべてをフォローするバイク、それがFAIRDALEのELEVATORです。
幾分の誇張と誤解も含みますがそれはこの先順繰りに説明させていただきたいと思います。

【What's FAIRDALE?】
FAIRDALEは2010年にBMXのレジェンドライダーでTerrible oneの創始者の一人であったTaj Lucas mihenrich(以下Taj(タジ))が現役ライダー時代にスポンサーであったOdysseyの協力のもとに新たに起こしたバイクブランドです。

ご存じない方もいらっしゃるかもしれないので少し触れますが、OdysseyはBMXのパーツブランドです。90年代にはMTB向けパーツも手掛けておりましたが基本はBMXのパーツブランドです。フレームやコンプリートバイクはやっておりません。BMX業界におけるシマノ、といったらいささか大げさですがそんな感じです。
41thermalという熱処理技術を用いて製造されたハンドルバーやフォークは軽量かつ強靭で、壊してナンボのBMXストリート業界にはじめて生涯補償の概念を持ち込んだ画期的なブランドでもあります。
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FAIRDALEはBMXブランドではありません。どちらかといえば街乗り用のコミューターやグラベルバイク、サイクリング車などを手掛けております。TAJが「昨今の自転車は複雑すぎる。自転車ってもっとシンプルでプリミティブであるべき(意訳)」といった信念に基づいたプロダクトです
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【跳べる! 下れる! FAIRDALE!】
FAIRDALEのELEVATORは「29er CHROMORY HARDTAIL WITH BMX BACKGROUND」という釣書きがぶら下がっています。注目してほしいのはこのBMX BACKGROUNDの部分
BMXを下敷きにしたバイクってことです。とてもわかりやすいですね。
TAJ自身がBMXライダーであり、周囲にBMXライダーが多くいる環境で、そんなBMXライダーが気持ちよくライディングできるトレイルバイクを目指した・・・のでしょうか?

【特徴的なジオメトリ】

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特筆すべきは406mm(16in)と29erにしては異例の短さを誇るチェーンステイ長。
跨ってみると尻の真下にリアハブがあるかのように錯覚します。
29erのMTBとしては私の知る限り最も短い寸法です。
ここまで短いチェーンステイながらちゃんと現在の主流である2.5インチのタイヤをゆとりをもって装着できます。
リーチはS:445mm M:463mm L482mm
マスプロのサイズ感と比較すると若干長めでしょうか。
ハンガードロップは-50mmとこちらもやや高めですが標準の範囲内。

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ヘッドアングルは65.5° 130mmトラベルのフォークとしてはこれも標準的。
シートチューブはS:360mm M:380mm L:400mmと短めなのでロングトラベルのドロッパーポストがしっかりと挿入できます。
チェーンステイが極端に短いこと以外はそこまで特殊なジオメトリではありませんね。
フレームの工作についても少し触れますとケーブル類はドロッパーポストのケーブルのシートチューブへの引き込みを除いてすべてエクスターナル(外装)です。最近のすっきりとした外観に慣れた方には美しくないと感じるかもしれませんがコレを奇麗に見せるのもメカの腕の見せ所、ということで私は嫌いではありません。

https://ride2rock.jp/products/139751/
試乗に使ったバイクの仕様は上記リンクより
フレームサイズはM
タイヤはチューブドで空気圧は前後20PSI(トレイルライド、GONZOPARKともに)


【予想通りだったところと、予想以上だったところ】
トレイルライド編
フローな路面ではとても気持ちよく加速し、バイクの上に立っているだけでプッシュが入る。
チェーンステイの短さのおかげかドロップオフでベーシックな送り出しがやり易い。
後輪のレスポンスはよく言えば機敏、悪く言えば神経質。
タイトターンでの旋回性能は抜群で、低速で小回りが必要な場面なんかでとてもきびきび回る。
反面、スイートスポットが掴みにくく前に乗れば後ろが流れやすいし後ろに乗るとアンダーが出やすい。
ただ、ポジティブにとらえるならリアを流しやすいのでそういう走りを目指すのであればとてもやり易い。チェーンステイが長いとこの辺の感覚はボンヤリするんですよね。代わりに路面からの突き上げの角が取れて安定感が増します。チェーンステイが長いとスイートスポットが広く真ん中に乗りやすいというのもあります。
今回ELEVATORという極端を経験したことで今まで考えていたことの裏付けが取れたことが沢山あったのは得難い収穫でした。

そしてこれも嬉しい想定外だったのですが、リアブレーキがとてもよく効くように感じました。SRAM DB8に180mmローターという組み合わせに、きっと悪くはないのだろうけどそこそこだろうと思っていたのですが200mmローターかなってくらいしっかりと効きました。これはきっとスタンディング状態で自然と後輪に荷重されるジオメトリなのが効果的なのでしょう。

ハイスピードのガレ場は一言でいうならばロデオ。
最近はフルサスに乗ることが多かったせいもあるのですが、バイクから振り落とされないように必死でした。足(脚)は踏ん張るだけではだめで、しっかりと路面予測して膝と踝を柔らかく使えないとペダルから弾かれて踏み外します。チェーンステイの短さも相まってリアがとても硬く感じます。しなやかで乗り心地が良いとは感じませんでした。中低速やフローな場面では効果的だったリアブレーキもこれだけ暴れるくんだとそこまでの効果は実感できません。

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ペダルから落ちそうになる、バイクから振り落とされそうになる、ならばビンディングペダルならばどうだと試してみました。結果ペダルから弾かれる感じはなくなりだいぶ楽になりました。ただ、なんとなくこのバイクにビンディングペダルは似合わないなぁと、これは個人の感想です。

登坂能力は非常に良好。尻の直下に後輪があるような感覚なのでテクニカルなシングルトラックで後輪のトラクションが抜けにくく、フロントリフトが簡単に入るので段差があるところの乗り越えなんかはとてもやり易い。これは例えば下りの途中で突然目の前に倒木が!フロントリフト間に合うか!? ってな場面で間に合ったりします(間に合いました)
逆に登坂時に前輪がふらつくことはないか? という点に関しましてはスティープ(急勾配)でテクニカルなシングルトラックの登りにおいても特別不安定さは感じませんでした。


ダートジャンプ編
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GONZOPARKに持ち込んで使ってみました。
29インチなのに気持ち悪いくらい一体感があってジャンプが飛べます。
29インチのMTBでBMX向きに作られたダートジャンプやるとリアタイヤの位置に神経を集中させてなんとかバックサイドに引っかけないように、という風になるのだけれどもこのバイクはそんな必要が全くありません。ダートジャンプ用のMTBやBMXのように、リアタイヤが勝手に身体についてくる。
そして29インチのホイールの恩恵でしょう、スピードがめちゃくちゃ乗ります。バイクの上で立っているだけでプッシュが入る、と前述しましたがバックサイドに丁寧に入れるだけで一気に加速します。積極的にプッシュ入れるとちょっと飛び過ぎてしまうくらいでした。

平地編
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スタンディングがパッとできる。バランスをとれる良い位置を探さなくてもピタッと静止できる。ブレーキをかけなくても楽勝。
ダニエルも容易。ジオメトリもそうなのだけれどそもそもトレイルバイク用なのでしっかりと効くブレーキが装着されているのがいいです。ジャックナイフは普通かな。可不可無し。

通常の29インチのハードテイルバイクだとチェーンステイが420〜450mmくらいあっておおよそ長くなるほどにフロントが上がりにくくなるのですがこのELEVATORはチェーンステイ406mmと短いお陰で軽いアクションでフロントアップできます。
ですので、バニーホップも29とは思えないくらいやり易い、というかこのやり易さは29インチなればこそかと思いました。
というのも、バニーホップの動作の際に後輪を強く蹴り出す動作があるのですが、BMX等の車輪径が小さい自転車だとバニーホップの際に捲くれ上がることがあります。その捲くれやすさこそがバニーホップのやり易さの源泉なのですが、勢いが余って(もしくは蹴り出すベクトルを誤って)後ろへひっくり返ることも。この時の恐怖感が思い切りの良い蹴り出しを封印してしまう原因となるのですけれども、このバイクだと強く蹴っても捲くれ上がりません。
コレで捲くれ上がるくらい強く蹴れるスキルがある人はそもそもバニーホップが跳べる人だと思います。
マニュアルも同様の理由でやり易いですが、さすがに前輪がちょっと重いですね。

まとめると
・平地での扱いは◎ 小技がやりやすく練習も楽しい。バニーホップやマニュアルのようなフロントリフトする技をしたときに捲くれ上がって抜けることが少ないのでトライする際の心理的な負荷が少ない。
・パンプトラック、ダートジャンプコースも◎ ジャンプの踏切の際にしっかり後輪を残せる、残しやすい。プッシュが入りやすくスピードが伸びる。レースコースのようなリップの立っていないジャンプも車輪の大きさで押し切れるし着地も安定する。
・トレイルライドは△ ライダーにやさしいバイクではなく、バイク任せで楽には下れない。どこまでもイニシアチブはライダーにあって積極的にバイクを操っていく必要がある。乗りこなすことを求められるバイクなのだけれど上手くハマるととても気持ちいい。自分でペースを作って走っているうちは気持ちいいけど、フルサスのトレイルバイクやエンデューロバイクと一緒に走って着いて行こうとするとところどころでウワーってなると思います。同じようなスチール製のハードテイルバイクでもchromagのRootdownみたいなバイクと比較すると「きっつ……」って感じると思います。

それはそれとして、乗りこなすことを求めてくる存在ってなんか格好良く感じませんか?


【どんな人にオススメか】
ベーシックなスキルが身についている中級者以上であればこのバイクの面白いところを引き出せて自在に操れる。難しい場面でも乗りこなす楽しみを見出せるのではないでしょうか。
未経験者〜初心者は、トレイルライドでの扱いのシビアさに面喰い、期待に胸弾ませて臨むと「こんなはずでは」と思うかもしれません。バイクが楽をさせてくれないんですよね。

だとしても

この自転車を初心者の人に乗ってもらいたいと思うのです。
とにかく平地でのアクションがやり易く、それが練習をしようって気にさせてくれる。90年代の26インチのMTB感があるんですよ。1台でなんでもトライしていたのが普通だったあの時代。
このバイクで街乗りしながら街に溢れる段差やスロープをセクションと見立ててクリアにチャレンジする。サドルは上がるしギアもあるから距離を稼ぐのも困難ではないトレイルヘッドまでの自走も快適。パンプトラックやパークでも気持ちよく乗れる。そうやってバイクに跨る機会が増えることで自然と上達する。そんなことを期待させてくれるバイクなんですよ。

YOUTUBEなどで見られる動画と現実の乖離
それをほんの少し埋めてくれるバイクです。


【レコメンド・アッセンブリ】
フォークは、可能であれば良いものをつけたい。ハードテイルあるあるなのなのですが、リアサスがない分リアから入力された衝撃もフロントフォークで受け流す必要があるので高性能なフォークを装着したいのです。とはいえあまり重いとこのバイクの運動性能を損なうのでFOXなら34、36SL、36くらい。ROCKSHOXならPIKE、Lyricくらいでしょうか。DVOのDIAMOND D1 SLのグレーが色がマッチして良いなぁと、これは個人的な好み。

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写真はお客さんからの依頼で仕立てた1台。
フォークはBomber Z2でメーカー推奨より10mm長い140mm仕様
セットアップでSAGを多めに設定してAirvolume Spacerも推奨+1個(10cc)にしました。
やはりBMXライダーでレスポンスの良いバイクを好む方ですが反応は概ね上々です。

ブレーキは、モジュレーション(コントロール性)よりもストッピングに寄ったハイパワーなブレーキを装着するとトライアル遊びが捗りそうです。MAGURAのMT7やHOPEのTECH4、HAYESのDOMINIONなんかが良さそう。ストッピングとモジュレーションと両立させるならローターは前後180でいいかも。

タイヤはフロントはそれなりにしっかりとグリップするものがあったほうがトレイルライドが快適ですが、リアはいっそ軽さ重視にしたほうが良いのではないだろうかと。リアにDHケーシングでウルトラソフトなコンパウンドのタイヤを嵌めたところでその性能を活かしきれる気がしないんですよ。であればなるたけ軽い、たとえばREKON RACEやWICKIEDWILLのようなダウンカントリー向けのタイヤや、いっそASPENのようなガチンコXCタイヤも面白いかもしれません。MINION SSやROCKRAZERのような振り切ったタイヤがあれば見た目も踏まえてパーフェクトなんですがあれらの29インチって今は出ていませんでしたよね?













【27.5にしなかった理由】
ここから先はすべて想像になります。

なぜ29にしたのか。27.5の方がシンプルに運動性能上がったのではないだろうかと乗りながらずっと考えていました。
27.5専用設計とまではいかなくても27.5コンパチ設計、29/27.5マレットホイールくらいは考えても良かったのではないだろうかと。

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写真の通りチェーンステイに括れがあるため27.5のリアホイールは入りません。
現在のMTBシーンの中心は間違いなく29インチにあります。27.5はリアホイールでのみ存在意義が確立されている感じです。27.5をスモールホイールと揶揄するつもりはありませんので誤解せぬよう。
ただ、ここまで極端なフレームを設計した時点で27.5がマイノリティであるとかそんなことを気にする人ではないと思うんですよね、TAJは。

少なくともチェーンステイをストレートに設計すれば推奨するしないはさておき27.5のホイールは装着できるわけで、それをしなかったのは27.5ではTAJの狙った性能を出せなかったから? 狙った性能ってなんだ?
29/27.5ホイールセットにするとジャンプした時のバランスが良くないとは登場した時から言われていますがそれでしょうか?
29ベースのバイクでマレット設計を許容するとBBハイトも下がるしヘッドアングルやシートアングルも寝る。そうならないようにジオメトリを担保にするようなギミックは加えたくない。あるいは、同一ジオメトリで27.5も実は設計しており試していた?

ELEVATORが発表されたのが24年4月のseaotter classic
その半年ほど前にウィスラーで偶然邂逅したTAJはCHROMAGのSTYLUSに乗っていました。
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フロント29インチ、リア27.5のマレット仕様
なので、ELEVATORをマレット仕様にするって発想もなくはなかったんじゃないかと思うんですよ。

そもそもこれを誰に向けて設計したのか。BMXをバックグラウンドにして、BMXライダーに乗らせたかったのか。たぶんこれは違うと思います。BMXライダーはBMXにしか乗りません(偏見)BMXは究極の乗り物なのでほかの乗り物に浮気する余地など無いのです。BMXをバックグラウンドにして、しかしBMXライダーの方を向いて設計したわけではないと仮定するとじゃあ何を狙ってこんな外連味のあるフレームを作ったのかと。

やはりMTBライダー、それも初級〜中級のライダーに向けて作ったんじゃないかと思います。
軽くも快適でもないけど圧倒的に自由で何でも挑戦できる。

この文章を書きながら一つの動画を思い出し、そして得心しました。

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https://vimeo.com/3585895

Eddie Roman's Hammertime
95年に発表されたMTB&BMXのライドフィルム
VHS時代に入手して文字通りテープが擦り切れるくらい観ました
トレイルライド、ダートジャンプ、トライアル
みんな同じようなバイクでやっとりますよね。昨今のムービーみたいにド派手じゃないけど身近で何なら我々でも真似出来そうな気すらする。
私の憧れたMTBライドは全部ここにあります。Aran Fsoterのライドが特に良い。

繰り返しになりますが、29インチのMTBというのは現代のメインストリームです。スタンダードです。
細分化され過ぎたMTBというジャンルへのアンチテーゼなんていったら言い過ぎだと思いますが、コレじゃできない、アレは向いてないっていう前に手元にある自転車で遊んでみないよ? やりにくい? じゃあこのELEVATORでやってみなよ。やり易いだろう。ほれ、できたじゃない。これでできたならキミのそれでもきっとできるよ。
そんなことを訴えるために29インチであったと考えるのは妄想が過ぎるでしょうか?
最新であると同時に懐かしさも訴えるこのELEVATORというフレームにそんな夢を見ました。

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パンプトラックで出会った少年が乗っていたMTBの後輪。
高級車でも専用車でもない普通の入門用のMTBでジャンプもガンガン飛んでいます。
これだよこれ! と感動しました。

ELEVATORは特別な自転車ですがそれは皆が当たり前に持っている自転車の可能性を可視化してくれたというのが真に特別なところだと思います。

大げさすぎる。作った人はそんなことは考えていないと思うよ。妄想が幻覚の域に入ってしまった。

シャラップ

それくらいのパワーと矜持のあるブランドだと思うんですよ。FAIRDALEは。
posted by オガワサイクル 店主 at 01:49| 日記

2025年02月12日

ONZO JEANS

ONZO JEANSの新作のジーンズが届きましたので早速使ってみました。

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従来型から継続されるストレート(BO-SL100)とスキニー(SK-SL000)に加え新作としてテーパード(TS-SL200)がラインナップに追加されました。
今回は従来型との比較がメインでしたので一番ヘビーローテーションで使用しているストレートを選択しました。

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脚を通して直ぐに気付くのが履き心地の圧倒的な軽さ。
従来型のSL100の時も軽いと感じましたがあくまでジーンズなりの軽さ。今回の軽さは「これはジーンズか?」と目を疑うような軽さです。スウェットのような軽さといえば少し大げさかもしれませんがそれくらい軽いです。

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ライドにも使ってみたところストレッチ性が良くなり膝や股関節周りが動かしやすくなりました。またその際にバックヨーク(腰の後ろ辺り)が突っ張る感じがなくなったのがとても快適です。ここが引っ張られないからベルトを通さなくても下がってくる感じがないんですよ。ライドでヒップバッグを使うことが多い昨今ではここがズレることが多いのですが、ほとんど気にならなくなりました。

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今までと大きく違う点として生地の使い分けがあるそうです。
二層の生地と単層の生地を部分によって使い分けることで耐久性と柔軟性を担保しているのがONZO JEANSの特徴ですが、新型は従来型と比較して単層の部分が増えているそうです。
これによって風通しを良くし清涼感を出し夏場でも快適に使用できるようになっているとのことです。

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写真左が従来型、写真右が新型
従来型にあった内腿に縫い目が来ない特徴的な裁断は今回は採用されませんでしたが新型は縫い方が変えてあるようです。縫い目が肌に触れて不快という感じは全くありませんでした。
新型の前身ごろはステッチを増やして耐久性を強化されています。

動きやすいストレッチジーンズからジーンズライクなスポーツ用のパンツへと大きく変革した一本という印象です。

お求めはONZOオフィシャル通販もしくは当店にてお申し付けください。



posted by オガワサイクル 店主 at 23:18| Comment(0) | 日記

2024年08月08日

お盆の営業案内

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8/12(月) 臨時休業 ふじてんリゾート
8/13(火) 通常営業予定
8/14(水) 定休日 阿寺MTBパーク
8/15(木) 通常営業予定
8/16(金) 12:30開店予定
8/17(土) 18:00閉店予定
8/18(日) 通常営業予定
8/19(月) 臨時休業 富士見パノラマMTBパーク

通常営業予定の日も突発で休みや短縮営業になり場合もあります。
よろしくお願い申し上げます。
posted by オガワサイクル 店主 at 12:47| Comment(0) | 日記

2024年01月26日

静岡県eMTBライドA

day2は山伏トレイルなので伊豆半島へ移動します。

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宿は山伏トレイルを運営するBASE TRESの宿泊業LODGE MONDO
年度末にプライベートツアーを予定しているので下見も兼ねて。
翌日のライドに備えてまずはバッテリーの充電を

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食事は昨年末からスタートした薪火料理コースをいただきました。

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スパイスピクルス

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グリルラサダ

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寒ブリのカルパッチョ

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原木シイタケとシラスのアヒージョ 岩海苔添え

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バゲットはお代わり自由

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トマトと鶏肉の煮込み

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豚肩ロースのグリル

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イチゴのカナッペ

どれも大変美味しゅうございました。

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アルコールの提供はありませんが持ち込み自由

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MTB好きが集まれば話題も尽きませんが翌日のライドもありますので早めに就寝


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翌朝松崎町へ移動してライド準備

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山伏トレイルツアーの平馬啓太郎さんを加えて9名でライド。バイクはKONAのREMOTE130(SHIMANO DU-E8080)

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普段下るシングルトラックを逆から登るんですが、これが本当に面白い。
以前SANTACRUZ HECKLERの試乗会を行った際、トレイル管理者に許可いただいて同様にトレイルの逆走を行ったのですがとても面白かったんですよね。つづらおれの続くコーナーなんかが気持ちいいんですよ。登坂でもバーム使って加速したり。
こうしてシングルトラックの登坂を重いeMTBを振り回して登っていると、ただウォームアップになるだけでなくバイクとの一体感が出ます。有り体にいえば下りでも重さが気にならなくなってきます。そうすると下りもさらに面白くなる。

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シングルトラックの登坂は面白い、搬送路の登坂はロードのグループライド感あってこれも楽しい。下りももちろんたのしいと、通常の車でピックする搬送ライドよりもはるかにバリューがあるんですよね。半日走っただけなのに丸一日走ったのに近いボリュームがあります。
(実際、平馬さんが「皆さんペース早いので半日で1日予定していた内容をこなしてしまいました、午後からどうしましょう?」という事態になってはいたのですが)


三上さんがライドの動画をまとめてくれました。ありがとうございます。


まる2日間乗り尽くして感じたことは、やはりeMTBは登坂こそが肝要。
シングルトラックの入り口まで搬送路を楽に登れるバイク、というだけではeMTBのメリットの半分
eMTBで登坂可能なシングルトラックがあって初めてeMTBのアクティビティが完成すると確信しました。

現状、常設のMTBパークでeMTB向けの登坂シングルトラックというのは存在せず(私が認識できていないだけ?)またそこへ割けるリソースも少ないでしょうが、この先eMTBの普及に合わせてそういったコースが増えていくと大きな変化が生まれるのではないかと思います。
eMTB所有している方は今回のようなMTBガイドツアーのeMTBプランを経験してみると、きっと世界が広がります。

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eMTBのバイク性能についてもいくつか。

・シマノ 1台
・Bosch 2台
・YAMAHA 1台
・GIANT 1台
・Specialized GEN2(Turbo SL1.2) 2台
・Specialized GEN1(Turbo SL1.1) 2台

シングルトラックを逆走。下ればなんてことのない斜面も登るのはかなりキツイ、ってことで私はTurbo SL1.1のLEVO EXPに乗っていたのですがTURBOモードで走りながら急勾配の登坂でもう少しパワーが、もう少しトルクが欲しい!シマノやBOSCHのPUが羨ましい!と思う場面がありました。舗装路走っているときは全然気にならないんですけどね。
SPECIALIZED LEVOと比較するとどのメーカーも重いのですがパワーとトルク重視でもりもり登る性能のことを考えるとPower>weightという考えも悪くないかなと。ペダルバイクに近い感覚を求めるのであれば現状LEVO一択ですがモトに近いフィールを求める、パワークライムするのならばBoschやシマノのPU積んだバイクがいいかもしれません。それを活かせるフィールドについては前述のとおりですが。

ただ、GEN2 Turbo SL1.2になって出力33%up トルク43%upとなってすごくパワフルになった、とはTurbo SL1.2を使用していたメンバーの弁。感覚的にはTURBO SL1.1のTURBOモードでSL1.2のTRAILモードくらいだとか。これは気になりますね。近日導入予定。

バッテリー容量については320Whに160Whのレンジエクステンダーを装着して480Whでこれでも他社よりまだちょっと少ないですが、昼休みにバッテリー残量の%を確認したところ他社と大きく差はありませんでした。
午前のライドで思ったよりバッテリーを消耗したので昼休みに1時間ほど充電したのですが充電なしでも36km、1600mアップをギリこなせそう。

ちなみに同じGen1のPU採用しているKenevo EXP乗っている3upの三上さんはバッテリー20%くらい残っていたそうです。これは同じPU、バッテリーでもライダーの体重、モード選択、タイヤチョイスなんかでかなり変わるから。(私より)軽い体重、Trailモードを多用、転がりの軽いタイヤを装着、とバッテリーを消耗しない条件が揃っていたからですね。

当店でeMTBを導入してまる2年
なんのかんのいうてペダルバイクをチョイスすることが多かったのですがeMTBの面白さを再確認、というかようやくちゃんと認識できた気がします。今回の経験を元により良いeMTBの提案ができるようになったと思いますので、ご興味ある方はぜひご相談ください。

コピーライトマークMakotoAYANO/cyclowired.jp
写真はすべてシクロワイアード様からお借りしました
寒い中いつでもシャッター切れるように指切りグローブでライドする姿勢にプロを感じました。
ありがとうございます。
posted by オガワサイクル 店主 at 08:34| Comment(0) | 日記

2024年01月25日

静岡県eMTBライド@

1/23〜24と静岡県にてeMTB研究合宿に参加してきました。
eMTBそのものの性能評価だったりeMTBの活用方法、eMTBに向いたフィールド、eMTBのガイドツアーの可能性などいろんな視点から意見を出し合って共有しようという催しです。

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参加メンバーは
中村浩一郎さん(BB WORKS) YAMAHA YPJ-MT PRO(YAMAHA)
三上和志さん(3UP) SPECIALIZED KENEVO EXPERT(gen1)
綾野真さん(シクロワイアード) TREK RAIL5(BOSH)
鎌苅ゆうみさん(sarone del monte) SPECIALIZED LEVO SL COMP(gen2)
田口信博さん(輪公房) SPECIALIZED LEVO SL COMP(gen2)
風間トモハルさん(FORZA) MONDRAKER CHAISER(BOSH)
東ヒロユキさん(FORZA) GIANT TRANCE E+ PRO(GIANT

それぞれ使用したeMTB(PUとバッテリー)
(スペシャライズドは新型のGeneration2と旧型のGeneration2を表記)

これに私を加えた8名

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SPECIALIZED LEVO SL EXPERT(gen1)

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初日のテストフィールドはFUJIYAMA Power-Line Trail(以下FJPLT)
通常は土日祝のみの営業ですが、今回特別にオープンしていただきました。

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今回ご協力いただきました東京電力パワーグリッド株式会社の相原様(写真右)と勝俣様(写真左)。
お世話になりました。

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スタート地点

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基本は緩やかな下り基調のジープロード

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途中ところどころ登り返しを挟みながら約7kmをワンウェイで走り抜けます

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スキニー(狭い)なシングルトラックはほぼありません。途中スイッチバックの下りがいくつかありますが、こんな感じで看板が立てられているので安心。


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渡河も2か所くらいありました。一番の難関。

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スティープ(急勾配)な下り坂の直後にほぼ確実に同程度にスティープな登り返しが来ます。
最初のころはギアが合わずに足つきも何度か。

難易度高めのロック(岩)セクションやルーツ(根っこ)セクションといったテクニカルなダウンヒルはありません。富士山の麓なのでところどころ溶岩がゴロゴロしてますが避けて走れないほどではなし。

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テクニカルな登り返しが面白い。
サドルはマックスまで上げるか少し下げるか
ギアは軽めか少し重めか
出力はTURBO(最大)かTRAIL(中間)にするか
瞬時にいろいろ考えなければなりませんがそれが面白い。
でもって登り切れると達成感あるんですよね。やったったぞと。

ただ、この面白さはeMTBありきです。ペダルバイク(動力アシストなし)ではこの登り返しは相当たいへん。絶対に無理というわけではないですが慣れていないと楽しむ前に疲れ果ててしまうかも。
幸い富士市サイクルステーションにてフルサスのeMTBがレンタルできるので、eMTBを持っていない人は是非レンタルしてほしい。

午前午後、1本ずつ走ってこの日は終了
翌日のライドのため伊豆半島へ向かいます。

コピーライトマークMakotoAYANO/cyclowired.jp
写真はすべてシクロワイアード様からお借りしました。ありがとうございます。
posted by オガワサイクル 店主 at 16:02| Comment(0) | 日記